直近めちゃくちゃもやもやしていた悩みをズバッと言語化してくれたとても良い本でした。
学びも多く名著ですね。
実は小霜さんは前職時代の内定者バイトにて届け物を渡しにオフィスに伺った事があるので、勝手に少しだけ親近感を覚えております。笑
https://www.amazon.co.jp/恐れながら社長マーケティングの本当の話をします%E3%80%82-小霜和也/dp/4883354849
下記読書メモ
今後マーケティングの戦いは宣伝部レベルではなく経営層判断による4pの総力戦になる。
これが本書のポイント。
例えば、中にて紹介されていたメルペイはシニアにアプローチしたり後払いを導入するなど独自の道を切り拓こうとしていたり、あと最近だとAbemaはW杯の放映権を購入して無料で開放した結果過去最高を大きく上回る利用者数を記録した。
いずれも担当単位ではなく経営層判断によるもの。
オリガミ Payがオシャレなイメージ CMぽい Promotionをやってましたが、企画制作したスタッフには申し訳ないけど僕はそれを見た瞬間、あ、これは脱落するなと思いました。旧来の「部長マーケティング」のレベルな気がしたからで、総力戦で挑んできている競合にそれで勝ち抜くのはもう難しいからです。
→これは自分も見たが、とても綺麗で心地の良いcmだった。ただ後のペイメント戦国時代を考えると仰っている通りこれでは戦えない。
もともと日本の広告業界で、 Promotionの中のストラテジーの部分を「マーケティング」と呼んでいた
エージェンシーのマーケはプレゼンがゴールなんです。なので、ストラテジーの提案書はメチャ綺麗に作られてるんです。それがマーケティングチームの成果物だから。後はクリエイティブチームに任せたよと。
→これは初耳でした。毎度部署名や役割、その期待値にすごい違和感があったが、これを知って腹落ちしました。
つまり、現実、 Product, Price, Place, Promotionの 4 Pを全て賄う部署なんてできないんです。ならば、 Promotionのプロとしての「宣伝部」あるいは「プロモーション部」があればいいってことです。それ以外は、商品開発部や経営企画部、各事業部などそれぞれのプロに任せて、社長中心で「マーケティング会議」 をやればいいんです。
「会議」でも「タスクフォース」でも構いません。僕は 4 Pにかかわる部署全てが横並びであることが必然で、ある部署、社長以外のある個人がマーケティング全体を統括するには無理があると思っています。だって、営業や開発部門の方々は「俺らがこの会社支えとんじゃ」って自負があるじゃないですか。そしてほとんどの場合がその通りですし。もし開発から営業まで 4 P全てを統括できる優れた CMOがいたとしても、中途で入って来て彼らに言うこと聞かせられるわけがないです(なんで俺らの上司が宣伝部長になるんだ? という感覚なので)。だから、実状は宣伝部長にちょっと毛が生えたぐらいのことしかできてないと思うんです。
マーケティング部」と呼称していようとマーケティング全体の権限委譲をされているわけではありません。
→これは本当にその通り。だから私はマーケティングをやるために社長か事業責任者になりたい。
最終的にどのようなカタチになろうと、マーケティング組織を作る順番は以下のようになります。 ① マーケティング組織の全体像を設計する(先述の「マーケティング会議」のように) ② その組織の回し方を決める ③ その組織に企業カルチャーを植え付ける ④ マーケティングの損益計算をルール化する ⑤ 採用方針、育成方針を決める ⑥ 外部パートナー連携の仕方を決める この中で社長が必ずやるべき範囲は ①~③でしょうか。 ④~⑥は信頼できる部署長がいらっしゃれば任せてもいいように思います。
→マーケとして部を作るにはこのような事が必要。
ローマ帝国のやり方から学ぶもの非常に多いと思ってます。多様性とか税制とか現代の社会課題解決に繫がる知恵をいっぱい持ってるんですよ。その一つとして失敗を評価するというものがあります。将軍が戦争に負けると罰するどころか「何か学んだに違いない」ということで、必ず次の戦いに起用するんです。そして二回目は勝つ。
→これは非常に同感できる。挑戦は本気でやってみる事自体に価値がある。サイバーエージェントでは子会社の社長を任せてその会社がうまくいかなくなっても他の部署に配置され大成している方は非常に多い。
黒澤明の『乱』って映画ありましたよね。あれはシェークスピアの『リア王』がベースになっていますが、殿様の仲代達矢さんにいつも耳の痛いことばかり言って怒られるだけの役職があって、ピーターさんが熱演してました。中世の王様は自分が裸の王様にならないよう側近に必ずこういう人を置いていたと言います。ここからピエロ( CLOWN)が生まれました。僕のように「もう人生ゲーム上がり」の怖い物知らずの人間なら、ピエロ役ができます
→この大事さが分かるようになりました。本当ならピエロなんて必要ない組織が1番なんだけど、実際難しい。そして自分はこのピエロのような気概で仕事をできるようになりたい。
生活者からは見えない Promotion「外」のところで大きく商品の売上げに影響するものがいっぱいあるのに、 Promotionしか武器を持たせてもらえない宣伝部長が「何やってんだ」と役員会で吊し上げられる、
「カサンドラのジレンマ」という言葉がありますね。トロイの滅亡を予言したカサンドラの逸話から生まれたものですが、悪い話をする人に得はないってことです。悪い話をするとその人に何の責任もなくても怒りの矛先はその人に向きがちですよね。でも黙っていると自分も含めて悪いことになっていくだけで。このジレンマを乗り越えてトップに悪いことは悪いと話せたのが名物宣伝部長。
CMOも、ちょっとこれに似た匂いがするんです。「 4 P全部まかせとけ」なんて言える人、どれぐらいいるんでしょうか。
→とても共感。責任と権限はセットでないと非常に非効率。ボトムアップで頑張らないといけないと思って自分も奮闘しているし、すごい人なら多分出来ちゃうんだろうけど、実際問題権限が最初からある組織と無い組織では難しさが違いすぎる。
商品の上市を成功に導くためにはこれだけの能力が求められるはずです。・市場動向、生活者インサイト動向の洞察力 ・STP(セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング)の戦略立案力・投資計画、予測 P/ L(損益計算)策定の財務知識・商品製造の原価計算、リクープライン(どの時点で投資回収できるか)の知見・パッケージデザインの知見・稟議をトップへ通し納得を得るためのプレゼンテーション力・多部門を率いるマネジメント力・各部門から協力を引き出すファシリテーション力 ・Promotion全般、コミュニケーション設計、広告表現、についての構築力・判断力・流通支援、店頭での販売促進の知見・営業との折衝力・社外パートナーの力を引き出すマネジメント力・マーケティング施策全体のモニタリング力・法改正などルール変更への対応力・躓いた時の課題発見力・課題に対しての解決力 etc, etc.
→参考までに。
全体的に頷けるポイントが多すぎる良書でした。
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